2012年9月15日

ヴァンヘイレンの最高傑作アルバムは「戒厳令」

戒厳令 (Fair Warning)


ヴァンヘイレンが復活したのをきっかけに、ここのところヴァンヘイレンにはまりまくっている。ネットを覗くとやっぱりデイブ・リー・ロスがいいとか、いやサミーヘイガーだろとか、アルバムはやっぱりファーストでしょうとか、いやいや1984でしょとか、様々な意見が飛び交ってる。やっぱりゲイリー・シェローンでしょという意見以外は何でも有りの状況だ。

そんな中、少数派のレッテルを貼られることは覚悟で、デイブ・リー・ロス時代の4枚目のアルバム「戒厳令(Fair Warning)」を私はヴァンヘイレンの最高傑作アルバムとしたい。私の思うところ、エディーが最も切れまくっているのがこのアルバムだ。セールス面やキャッチー度とは別の意味で、楽曲もギターもセンスが爆発している。

ヴァンヘイレンが他のハードロックバンドと一線を画しているのは、コード進行が斬新で、ギターのリフやバッキングのアイデアの豊富さである。他のギタリストが一曲で使うアイデアの4〜5倍をエディーは詰め込む。中でもこの「戒厳令」がその頂点だと感じるのだ。

一曲目「Mean Street」のイントロで度肝を抜かれる。Eruptionどころではない。YouTubeも何もなかった頃だ。一体どうやって弾いてるんだ??曲全体もヘヴィでドラマチック。

 二曲目「Dirty Movies」もイントロのギターのセンスと言ったら有りえんレベル。スライドギターも効果的、ベースも重量感たっぷり。

三曲目「Sinner's Swing」のリフの疾走感はたまらない。

四曲目「Hear About It Later」は人気曲でここもギターのバッキングのセンスは抜群。複数のギターの絡みが万華鏡のよう。

五曲目は超人気曲「Unchained」。リフとサビのかっこよさは当然として、私が感嘆したのはBメロのバッキング。複雑だが何ともかっこいい。よくこんなの思いつくな〜。プロデューサーのテッド・テンプルマンが「Come on Dave,Gimme a break」とからむところもいい。

六曲目「Push Comes To Shove」はブルース感たっぷり。渋い、渋すぎる。エディーのソロが珍しくメロディアスだが、決してべたべたのブルースではなくエディーらしくドライで、いいんだなこれが。

衝撃度ではもちろんファースト「炎の導火線」、洗練度・完成度はサミーヘイガー時代に譲るが、楽曲の斬新度、ギターのセンスでは「戒厳令」は絶対のおすすめ。新作「Different Kind of Truth」も楽しくていいけど、さすがのエディーもこの頃のセンスは無くなってるな。